会社の将来をデザインする方法として、前回のブログでは、
(1)演繹法(deduction)
(2)帰納法(induction)
(3)仮説推論(abduction)
の3つの方法があるとご紹介しました。
(1)演繹法(deduction)とは、「人間は必ず死ぬ。ソクラテスは人間である。故にソクラテスは必ず死ぬ。」というように、一般的かつ普遍的なルールやセオリーを前提として、そこから結論を導きだす方法です。
(2)帰納法(induction)とは、「一昨日は雨だった。昨日も雨だった。今日は天気が悪い。よって今日も雨が降るだろう。」というように、さまざまな事実や事例から導き出される傾向をまとめあげて結論につなげる論理的推論方法です。
(1)演繹法と(2)帰納法は、一般的によく使う推論方法ですね。
特に帰納法は、過去の売上実績は◯◯◯である。市場や顧客の動向によると今後xxxという傾向が予想される。よって当社の業績予測は△△△となるだろう。」という感じで、需要予測や事業計画(特に数値計画)の策定根拠としてよく使う方法なので、馴染みのある方も多いのではないかと思います。
(3)仮説推論(abduction)とは、「驚くべき事実Cが観察される。しかし、もしHが真であれば、Cは当然の事柄であろう。よって、Hが真であると考えるべき理由がある。」というもの。一見するとよくわからないのですが例を当てはめると、「エベレストから貝の化石(驚くべき事実C)が発見される。しかし、もしこの場所がむかし海底だった(Hが真)ならば、エベレストから貝の化石(驚くべき事実C)が発見されるのは当然のことだろう。よって、この場所が昔海底だった(Hが真)であると考えるべき理由がある。」という感じ。これなら理解しやすいですね。
さて、不確実性の高いVUCAの現在で、会社の将来のビジネスモデルをデザインしたり事業計画策定したりする際には、どのアプローチで検討していけば良いのでしょうか。
詳しくは、特定非営利活動法人ITコーディネータ協会「フォローアップ研修:イノベーションを起こす!ビジネスモデル・キャンバス(基礎編)」で。
それとこの議論は、私が(一財)大阪科学技術センターの「ネクストリーダー養成ワークショップ」でお世話になっている大阪大学COイノベーションセンターの池田光穂教授の記事がとても勉強になります。
池田教授の記事は直リンクしていませんが、検索エンジンで「アブダクション」と検索するとおそらく2番目くらいに出てくると思いますので、ご参考ください。