今年も尼崎商工会議所の創業塾を担当させていただきました。
今年の担当は昨年に引き続き、第4講「ビジネスモデルの実現性を高める」です。
尼崎商工会議所の創業塾では、第1講から最後まで一貫してビジネスモデル・キャンバスを使って「ビジネスを"創る"」ことをコンセプトにしています。
というよりも、(一社)関西dラボの創業塾では…、といった方がいいですね。
なので、創業計画書の作成は目的としていないんです。
あくまでも創業時〜創業3年後くらいの"ありたい姿"のビジネスモデルデザインを目的としています。
あ、もちろん、創業計画書(ビジネスプラン)を書きたい方のフォローも、あとでちゃーんとやっていますから安心して受講してくださいね。
(一社)関西dラボがプロデュースさせていただいている創業塾では、なぜビジネスを"創る"、ことを目的にしているのかといいますと、チャレンジセミナーや第1講で毎度毎度お話しすることなのですが、VUCAの時代である現在で事業を経営する際に大切なことは、ビジネスモデルをデザインする力、経営者にはビジネスモデルを創り出す(創り出し続ける)力が必要と考えているからです。
モノやサービスが溢れかえっている現在、特に既存の業界内で継続的に競争優位を築き続けるためには、並大抵のことではないと思います。
ましてや、高品質・低価格・短納期、早い旨い安いがアタリマエの時代、既存の業界内で外観的な差別化ができたとしても、一時的には優位性が築けるかもしれないですが、すぐに同業他社に追従されてしまいます。
いわゆるレッドオーシャンですね。
もちろん、これまでのご経験を活かして同じ道で独立開業される受講者の方もいらっしゃいますが、いずれの方でも事業を経営するにあたって経営者として共通してまず第一に必要な能力はダイナミックケイパビリティだと考えているからです。
ダイナミックケイパビリティは、「変化対応的な自己変革能力」と訳されます。
はい、これではよくわからないですね。。。
環境変化に対応して、既存の資産・資源・知識などを再構成して、相互に組み合わせて持続的な競争優位をつくり上げる能力、という感じでご理解いただけますでしょうか。
なんか聞き覚えないですか?
「このような企業に固有の知的資産を認識し、有効に組み合わせて活用していくことを通じて収益につなげる経営を「知的資産経営」と呼びます。(経済産業省知的資産経営ポータル)」
あれ?過去のブログで出てきた文言と微妙によく似てる。。。
内閣府の経営デザインシートでも「企業とは、環境を理解し、資源を確保し、 それらを組み合わせ、ユーザの求める価値を創出し、提供する一連の仕組み(価値創造のメカニズム)である。」と書いてある。
そりゃそうです。実は知的資産経営も経営デザインシートも、元は同じ部署というか同じ人から出てきたものだったりします。
共通していることは「資産を(うまく)組み合わせて」価値を創出する点でしょうかね。
以前、このブログでも書いた「Y=f(x)」ってやつです。
余談ですが、この「組み合わせ」というプロセスを飛ばすと、Y=x or Y=axみたいになって「x:(知的)資産」そのものが大事という感じになります。
もちろんxは大事なリソースなんですけど、もっと大事なのはYとかf(x)でしたよね。
xは不足していても、何らかの形で補完すればf(x)に放り込んでYが提供できてお客様は片付けるべき用事が片付いてハッピーになれるわけですからね。
あ、脱線した。。。
この辺の詳しいことは、また別の機会にでもお伝えするとして、、、
要するにVUCAの現代では、環境を理解し固有の経営資源(≒知的資産)をうまく組み合わせて価値提案をし続ける力(≒ダイナミックケイパビリティ)が、経営者には欠かせない能力なのです。
そこで、環境変化に対応して、既存の資産・資源・知識などを再構成して、相互に組み合わせて持続的な競争優位をつくり上げ続けるために、ビジネスモデルキャンバスやバリュープロポジション(価値提案)キャンバスなどのデザインツールをフル活用して、ビジネスモデルをデザイン、あるいはリデザインし続ける能力、すなわちダイナミックケイパビリティを創業塾で身につけていただいているわけです。
もちろん、既存の改善も大切です。
なので、いわゆる「両利きの経営」なんです。
そんなこと小規模事業で、、、ちゃんとできるんですよ。
創業塾でこんなことやってるの、私が知る限りいまのところウチらだけっぽいですけどね。
私どもの創業塾は、ビジネスプラン(事業計画)に入る前段階のビジネスモデルを描く訓練をする場&ツール&描き方をご提供しています。
で、やっと本題ですが、創業塾の第1〜3講でデッサンレベルのビジネスモデルが出来上がるので、昨年度・今年度で私が担当した第4講ではそのビジネスモデルの検証とリデザインをメインにワークショップ形式で実践していただいています。
第3講までは非現実なビジネスモデルだとしても全くウエルカムなんですよ。
第4講ではそのビジネスモデルを数字を使って検証して、実現性が乏しければその場でリデザインしていきます。
第3講までは発散、第4講で収束→発散→収束・・・で、第5講までに形にしていく。
ビジネスモデルはキャンバス上にキーワードを書いた付箋でデザインしているだけですから簡単にリデザインできますし、数字の検証も例の数式に放り込んで実現性を検証して、イマイチなら何度でもリデザインすればいいんです。
まだ創業前なので投資もしていなければ融資も受けていないですから、言ってみれば付箋代とコピー代でビジネスのシミュレーションが簡単にいくらでもできるのです。
これって、新規事業や新製品開発のときでも、さらに事業承継などの局面でも同じですよ。
このコンテンツの既存事業版というか製造業版が、昨年度にお声がけいただいた(一財)大阪科学技術センター様(OSTEC)でやらせていただいているワークショップです。
今年もOSTEC様からお声がけをいただけたので、12/6に登壇させていただくことになりました。
そのときの様子は、次回にでも。
なんか今回は脱線したなぁ。。。長いし(--;
今日はこの辺で。